低サンプル
取引回数だけでなく期間も見る
少ない観測から得た割合は、数件の違いで大きく動きます。
参照
過去データの検証は、前提の置き方次第で結果が変わります。Zephris が生存者バイアス・約定の現実性・統計的な確からしさ・計算の前提・計算の検証をどう扱っているかを、できるだけ隠さずに説明します。読み手が結果を過信せず、自分で判断できるようにするためです。
このページの読み方
対応状況と限界を一組で読む
「対応している」という記述だけでなく、近くにある「残る限界」まで確認してください。
現在の扱い
状態を採点した表ではありません。検証結果を読む前に確認する前提と、その前提でも残る差を並べています。
各項目は「現在の扱い」と「残る限界」を一組にし、観点ごとに縦に並べています。各行は「現在の扱い」と「残る限界」を一組にしています。表が横に収まらない場合は、表にフォーカスして左右キーでも移動できます。
実装や仕様の変更は更新履歴で確認できます。
01 偏り
上場廃止になった銘柄や、当時の構成銘柄を検証から外すと、「生き残った銘柄だけ」を見て結果が良く見えてしまうことがあります。これを生存者バイアスといいます。近い問題に、当時のトレーダーがまだ知り得なかった未来のデータを参照してしまうルックアヘッドバイアスもあります。
Zephris のユニバース検証では、構成銘柄の解決方針を選べます。既定では「検証開始時点の構成銘柄で固定」して評価し、その後に入れ替わった銘柄を先回りで取り込まないようにしています(=ルックアヘッドを抑える方向)。
一覧を見て選んだ銘柄だけを固定し、そのリストで過去を検証すると、当時はまだ選べなかった情報が銘柄選びに混ざります。これを選択バイアスといいます。対象銘柄の画面で選んだ固定リストは銘柄を入れ替えないため、過去の各時点で同じ銘柄を選べたことを再現するものではありません。
「この対象で戦略を設定」で市場区分などの元の対象定義を引き継いでも、偏りが自動でなくなるわけではありません。現在その市場にいる銘柄だけを起点にすると、当時の構成や後に上場廃止になった銘柄が抜けることがあります。これを現在の対象構成による偏りといい、構成銘柄の解決時点と元データの網羅範囲を併せて確認する必要があります。
ただし、過去に上場廃止となった銘柄まで完全に復元して検証する仕組みは、現時点では限定的です。生存者バイアスを完全に取り除けるわけではない点は、結果を読むときに留めておいてください。
確認すること
構成銘柄をいつの時点で解決したか、上場廃止銘柄をどこまで含められたか。
02 約定
「いつ・いくらで売買できたか」を現実に近づけるため、Zephris は次の前提で計算します。
03 標本とばらつき
検証結果の数値は、たまたまその期間・その銘柄で出た一例です。次の点に注意して読みます。
低サンプル
少ない観測から得た割合は、数件の違いで大きく動きます。
過剰フィット
近い条件や別期間でも挙動が大きく崩れないかを確かめます。
生成サンプル / 条件感度
短期移動平均だけを変更
「短期 / 長期」は株価を平均する日数(移動平均の長さ)です。検証した期間ではありません。
生成データ上の期間:2021–2023。実在銘柄を使わない生成サンプルを、検証画面と同じ計算エンジンで事前計算した結果です。買い持ち基準は2021/01/05の始値で買い、2023/12/29の終値で精算しています。将来の成果を示すものではありません。終値で条件を判定し、次の取引日始値で売買します。元手100万円・1株単位、期間末の保有分は終値で精算します。手数料・税・配当・スリッページは含めません。
同じ生成データの買い持ちの累積リターンは +21.3% です。「買い持ちとの差(pt)」は、各条件の累積リターンから +21.3% を引いた差です(単位は % ではなく pt)。
| 短期 / 長期 | 累積リターン | 買い持ちとの差(pt) | 最大下落率 | 取引回数 |
|---|---|---|---|---|
| 15 / 75(既定) | +8.5% | −12.8pt | −12.2% | 6 |
| 21 / 75 | +9.3% | −12.0pt | −11.1% | 5 |
| 27 / 75 | +14.0% | −7.3pt | −10.3% | 5 |
| 30 / 75 | +14.0% | −7.3pt | −12.1% | 5 |
短期の日数だけを変えても、損益や下落、売買回数が変わります。ここだけで条件を選ばず、別の期間でも確かめます。この差自体が、次に確かめるべき情報です。
04 計算前提
05 検証
ここまでに説明した前提が「実装でもそのとおり動いているか」を、Zephris は自動テストで継続的に確認しています。とくに金額の計算については、入力データと期待結果をあらかじめ固定したゴールデンテストという方式を使っています。
ただし、これらは開発者自身が用意した検証であり、第三者機関による監査や、他のバックテストツールとの突き合わせではありません。また、自動テストが確かめるのは「決めた前提のとおりに計算しているか」であり、前提そのものの妥当性や限界は、このページの各節で説明しているとおりです。
次に確認する
定義を確認し、個別の疑問を解消してから、同じ前提を使う検証画面へ進めます。
判断について
Zephris は投資助言を行いません。過去データの検証は、将来の成果を保証するものではありません。検証結果は、ご自身の判断材料の一つとしてご利用ください。