検証の方法論

検証品質を、どう支えているか

過去データの検証は、前提の置き方しだいで結果が変わります。Zephris が 生存者バイアス・約定の現実性・統計的な確からしさ・計算の前提を どう扱っているかを、 できるだけ隠さずに説明します。読み手が結果を過信せず、 自分で判断できるようにするためです。

生存者バイアス(生き残りの偏り)

上場廃止になった銘柄や、当時の構成銘柄を検証から外すと、「生き残った銘柄だけ」を見て 結果が良く見えてしまうことがあります。これを 生存者バイアス といいます。 近い問題に、当時のトレーダーがまだ知り得なかった未来のデータを参照してしまう ルックアヘッドバイアス もあります。

Zephris のユニバース検証では、構成銘柄の解決方針を選べます。既定では 「検証開始時点の構成銘柄で固定」して評価し、その後に入れ替わった銘柄を先回りで 取り込まないようにしています(=ルックアヘッドを抑える方向)。

ただし、 過去に上場廃止となった銘柄まで完全に復元して検証する仕組みは、 現時点では 限定的です。生存者バイアスを完全に取り除けるわけではない点は、 結果を読むときに 留めておいてください。

約定の現実性

「いつ・いくらで売買できたか」を現実に近づけるため、Zephris は次の前提で計算します。

  • 約定タイミング:シグナルが出た日の翌営業日の始値で 約定したものとして計算します(=その日の終値で判断し、 翌日に約定。 後知恵での 約定を避けます)。
  • 約定できない日:翌営業日の始値が取得できないときは、 その約定を 取り消します。
  • スリッページ:想定価格から不利な方向(買いは高く、 売りは安く)に 適用します。実際のずれは銘柄の流動性や注文サイズで大きく変わります。
  • 判定に使うデータ:日足の四本値(始値・高値・安値・終値)と出来高です。 テクニカル条件の多くは終値を基準にしますが、 一部の条件は始値・高値・安値・出来高も 参照します。 利食い・損切りは日中の高値・安値で判定します。

統計的な確からしさ

検証結果の数値は、 たまたまその期間・その銘柄で出た一例です。次の点に注意して読みます。

  • 取引回数が少ない(おおよそ 30 回未満)と、 勝率や平均リターンは大きくぶれます。 Zephris は低サンプルの注意を結果画面に併記します。 シャープレシオについては、 観測日数がおおよそ 30 営業日以上あるとき、 誤差の幅(信頼区間)を併記します。
  • 各指標に絶対的な良し悪しの基準はありません。 期間や銘柄を変えて何度か検証し、 近い設定でも結果が大きく崩れないか(頑健性)を見るほうが確かです。
  • 多くのパラメータを総当たりで試して「過去だけに最も合った値」を選ぶと、 過去成績は 良いのに将来は通用しない過剰フィットになりがちです。「ピンポイントの 最良値」より「広い範囲で安定した値」を選ぶほうが頑健です。

計算の前提

  • コスト・税:取引コストとスリッページを結果に反映します。税は、 譲渡益に一律 20.315% の簡易計算、 カスタム税率、 または税を考慮しない(税引前表示) から選べます。
  • 配当:J-Quants Premium 契約時に、 受け取り(決済時にリターンへ加算)または再投資(権利落ち日に同じ銘柄を買い増し)を選べます。Free / Light / Standard では売買損益のみで計算します。
  • これらはあくまで検証のための前提です。 実際の運用では、 約定価格・手数料・税・ 流動性などが想定と異なり得ます。

免責

Zephris は投資助言を行いません。 過去データの検証は、 将来の成果を保証するものでは ありません。 検証結果は、 ご自身の判断材料の一つとしてご利用ください。