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A — 検証の基本と手法
バックテストと、戦略を組み立てる言葉。
- バックテストBacktest
- 過去の価格データを使い、戦略の挙動を再現・検証する手法。Zephris の中心機能。
- 買う条件(エントリー)Entry
- 検証上で新しく買いポジションを持つこと。Zephris の「03 買う条件(エントリー)」では、どの条件が成立したら買ったものとして計算するかを設定する。
- 売る条件(エグジット)Exit
- 保有中のポジションを手放し、1回の取引を終えること。Zephris の「04 売る条件(エグジット)」では、売る条件、損切り、利益確定、保有期間などを設定する。
- ユニバースInvestment Universe
- 検証の候補にする銘柄の集合。個別銘柄、指数の構成銘柄、市場区分など、どの範囲から対象を選ぶかを表す。Zephris では「01 銘柄選定」で設定する。
- ポートフォリオPortfolio
- 複数の銘柄や戦略を組み合わせ、資金配分を含めて一つのまとまりとして扱うもの。個別の検証結果を単純に足したものとは限らず、同時保有や現金の扱いでも結果が変わる。
- 検証ケースVerification Case
- 検証した結果に名前を付けて保存し、あとから一覧で見返したり、複数を並べて比較したりできる 1 件分の記録。仮説・評価・メモも書き添えて残せる。
- 移動平均Moving Average / MA
- 一定期間の価格の平均値を、日々ずらしながら計算した値。短期 25 日、長期 75 日のような組合せが知られる。
- 移動平均クロスMoving Average Crossover
- 短期と長期の移動平均線が交差した瞬間を、売買条件の一例として扱われる古典的な手法。下から上への交差をゴールデンクロス、上から下への交差をデッドクロスと呼ぶ。
- RSIRelative Strength Index
- 一定期間の値動きの強弱を 0–100 の範囲で示すオシレーター指標。30 以下で売られすぎ、70 以上で買われすぎと読む慣習がある。
- ボリンジャーバンドBollinger Bands
- 移動平均と標準偏差を組み合わせたバンド。価格のばらつき範囲を可視化する。
- MACDMoving Average Convergence Divergence
- 短期と長期の指数移動平均 (EMA) の差をもとにしたモメンタム指標。
- ATRAverage True Range
- 一定期間の 1 日の値動き幅 (前日終値からの窓開けを含む) を平均した指標。相場の荒さ (変動率) を表し、値が大きいほど値動きが荒い。損切り幅を相場の荒さに合わせて決めるのに使う。
- 検証期間Backtest Window
- バックテストを実行する対象期間。複数の市場局面 (上昇・下落・横ばい) を含むほど、結果は頑健になる傾向。実データでは、株価日足の期間目安は、Free が 12 週間遅延した最新日までの過去 2 年分、Light が過去 5 年分、Standard が過去 10 年分、Premium が J-Quants の提供する全期間(最大 20 年)です。Zephris は J-Quants の契約プランを自動判定しません。設定画面で手動選択したプランを、「02 期間設定」で選べる期間の制御と実行前の確認に使います。実際に返る開始日・終了日は、銘柄の上場日やデータの提供状況により、この目安より短くなることがあります。
- イン・サンプル / アウト・オブ・サンプルIn-Sample / Out-of-Sample
- パラメータを決めるための期間 (in-sample) と、決めたパラメータを当てて結果を見る期間 (out-of-sample)。期間を分けることで過剰フィットを見つけやすくする。
- ウォークフォワード検証Walk-Forward Test
- 学習期間と検証期間を時系列に沿ってずらしながら繰り返す検証手法。各回で学習期間から条件・パラメータを決め、その直後の未使用の検証期間に固定して評価します。Zephris が現在提供する「期間分割検証」は、同じ条件を複数の重ならない期間で試す機能で、期間ごとに学習・再最適化するウォークフォワード検証とは異なります。
B — 指標と評価
戦略の挙動を、数字で読み解く。
- 累積リターンCumulative Return
- 検証開始からの値動きを積み上げた合計の収益率。
- 年率リターンAnnualized Return / CAGR
- 累積リターンを 1 年あたりに換算した値。期間が異なる戦略を比較するときに使う。
- シャープレシオSharpe Ratio
- リスク (リターンの標準偏差) を考慮したリターンの効率を示す指標。値が大きいほど効率的とされる。計算前提 (無リスク利子率、計算期間、年率化の方法) で値は変わる。
- 最大下落率Maximum Drawdown / MDD
- 検証期間中、ピーク (高値) から底までの最大の下落幅。下落耐性の目安として使う。最大ドローダウンとも呼ぶ。Zephris は保有中の日中の安値 (ザラ場安値) も底として反映するため、終値だけで見るより実態に近い下落を示す (売買コストは決済時に反映するため、保有中の評価には含まない)。
- ボラティリティVolatility
- リターンのばらつき (標準偏差)。値が大きいほど価格変動が激しい。
- α (アルファ)Alpha
- ベンチマークに対する超過リターン。市場全体の動きを差し引いたあとに残る成果。
- β (ベータ)Beta
- ベンチマークの動きに対する感応度。1 ならベンチマークと同程度、1 より大きいと感応度が高い、0 に近いと無関係に近い。
- 勝率Win Rate
- 検証期間中の取引のうち、利益で終わった取引の割合。勝率が高くても、1 回あたりの損益によっては成績が悪い場合もある。
- リスクフリーレートRisk-Free Rate
- 理論上、リスクなしで得られるとされる金利。シャープレシオなどの計算前提として使われる。Zephris の戦略バックテストでは、簡易計算のため 0 として扱う。
- ベンチマークBenchmark
- 戦略の成果を比較するための基準。日本株では TOPIX、日経平均株価などが代表的。
- ソルティノ比Sortino Ratio
- 下落方向の値動きのばらつき (マイナスの振れ) に対する、平均リターンの比。シャープレシオが上下両方の振れを使うのに対し、ソルティノ比は下落側だけを分母にする。数値が大きいほど、下落の振れの割に平均リターンが大きかったことを表す。
- カルマー比Calmar Ratio
- 年率換算リターンを、最大下落率 (の絶対値) で割った比。数値が大きいほど、検証期間中の最大の落ち込みに対して年率リターンが大きかったことを表す。
- 情報比Information Ratio
- 比較対象 (ベンチマーク) に対する超過リターンの安定性を表す比。超過リターンの平均を、そのばらつきで割って年率換算する。数値が大きいほど、超過リターンが安定的だったことを表す。
- 損益倍率Profit Factor
- 勝ち取引の利益の合計を、負け取引の損失の合計 (絶対値) で割った比。数値が 1 のとき利益の合計と損失の合計が等しく、大きいほど利益側の合計が大きかったことを表す。
- 連続マイナス取引 最大Max Consecutive Losses
- マイナスで終わった取引が連続した、最大の回数。連続して逆行した局面の長さの目安になる。
- 1 取引あたり平均リターンExpectancy
- 1 取引あたりの平均的な損益。勝ち取引の平均リターン × 勝率 と、負け取引の平均リターン × 負け率 を合計して求める。
- ペイオフ比Payoff Ratio
- 平均的な勝ち取引のリターンを、平均的な負け取引のリターン (絶対値) で割った比。数値が大きいほど、1 回の勝ち幅が負け幅より大きかったことを表す。
C — バイアスと検証品質
過去データを、誤読しないために。
- 生存者バイアスSurvivorship Bias
- 上場廃止になった銘柄や、当時の指数構成銘柄を除外して検証すると、「生き残った銘柄だけを見て」結果が良く見えてしまう問題。
- ルックアヘッドバイアスLook-Ahead Bias
- 検証時に、当時のトレーダーがまだ知り得なかった「未来のデータ」を参照してしまう問題。決算数値の取得タイミングなどで起きやすい。
- 過剰フィットOverfitting
- パラメータを過去データに合わせすぎて、将来通用しない戦略になってしまう状態。「過去だけに合った最良」を探し当てると起こりやすい。
- データスヌーピングData Snooping
- 同じデータで多数の仮説を検証することで、偶然「良い結果」が出る現象。検証回数を重ねるほど、見かけの優位性を信じにくくなる。
- パラメータ最適化Parameter Optimization
- 検証パラメータを変えながら、結果が良くなる値を探す作業。過剰フィットのリスクと表裏一体のため、近傍のパラメータでも結果が安定しているかを併せて確認する。
- 条件感度Parameter Sensitivity
- 期間やしきい値を少し変えたときに、検証結果がどの程度変わるかを見る考え方。特定の値だけで結果が極端に良い場合は、過去データへの合わせすぎを疑う手掛かりになる。
D — 取引コストと現実
バックテストと実運用の、距離。
- スリッページSlippage
- 想定した約定価格と、実際に約定した価格のずれ。流動性が低い時間帯や、約定単位が大きいほど大きくなる傾向。
- 流動性Liquidity
- 価格を大きく動かさずに売買できる量の目安。出来高や板の厚みから読む。
- 取引手数料Trading Commission
- 売買時に証券会社に支払う手数料。Zephris の戦略バックテストのコスト条件で、買い・売りそれぞれに料率(例 0.10%)を設定でき、0% にするとコストなしで検証できる。
- 譲渡益税Capital Gains Tax
- 株式の売却益にかかる税。日本では原則 20.315% (所得税 15%、住民税 5%、復興特別所得税 0.315% の簡易合算)。Zephris の戦略バックテストでは、一律 20.315% の簡易計算・任意のカスタム税率・税を考慮しない (税引前表示) から選べる。
- 配当 / 配当再投資Dividend / Dividend Reinvestment
- 銘柄から得られる配当金、およびそれを再投資する前提でのリターン計算。Zephris では、J-Quants Premium 契約時に配当を受け取り(決済時に加算)または再投資(権利落ち日に同じ銘柄を買い増し)で反映でき、配当への課税(20.315%)も任意で適用できる。ただし、再投資した配当分の値上がり益への課税は簡易モデルでは扱わない。Free / Light / Standard では、配当は検証結果に反映しない。
E — データと環境
Zephris が扱うデータと、その置き場所。
- J-Quants APIJ-Quants API
- 株式会社 JPX 総研が提供する金融データ API。Zephris の主要なデータソース。利用には J-Quants との契約と API キーが必要。
- Zephris ConnectorBrowser Extension
- 実データ接続を仲介する Chrome / Edge 拡張機能。J-Quants API キーをブラウザの拡張機能内に保存し、利用者のブラウザから J-Quants API へ市場データを問い合わせる。API キーや取得した市場データを Zephris 運営サーバーへ送信しない設計。
- BYOKBring Your Own Key
- ユーザー自身が外部 API の契約と API キーを管理する方式。Zephris は BYOK 方式を採用し、Zephris 側で API キーを預かったり、データを再配信したりしない設計。
- ヒストリカルデータHistorical Data
- 過去の株価・出来高・指数値などの時系列データ。バックテストの入力として使う。
- ファンダメンタルFundamentals
- 売上高、利益、資産、成長率など、企業の事業や財務状態を表す基礎的な情報。Zephris では、利用できるデータ範囲内で銘柄の絞り込み条件として扱う。
- 銘柄コードTicker / Securities Code
- 上場銘柄を識別する 4〜5 桁の数字 (例: 7203 = トヨタ自動車)。日本株固有の表記。
定義の次に
数字の読み方と検証の限界
用語の定義から一歩進んで、なぜ重要かを知りたいときは、よくある質問へ。
実際にパラメータを変えて確かめたいときは、戦略バックテストへ。