用語集
検証で出会う言葉を、まとめました。
バックテストとクオンツ検証で使われる用語の短い定義集です。「なぜ重要か」「どう使うか」 までは よくある質問 に書いています。
A — 検証の基本と手法
バックテストと、戦略を組み立てる言葉。
- バックテストBacktest
- 過去の価格データを使い、戦略の挙動を再現・検証する手法。Zephris の中心機能。
- 移動平均Moving Average / MA
- 一定期間の価格の平均値を、日々ずらしながら計算した値。短期 25 日、長期 75 日のような組合せが知られる。
- 移動平均クロスMoving Average Crossover
- 短期と長期の移動平均線が交差した瞬間を、売買条件の一例として扱われる古典的な手法。下から上への交差をゴールデンクロス、上から下への交差をデッドクロスと呼ぶ。
- 試す戦略バックテストで検証する →
- RSIRelative Strength Index
- 一定期間の値動きの強弱を 0–100 の範囲で示すオシレーター指標。30 以下で売られすぎ、70 以上で買われすぎと読む慣習がある。
- ボリンジャーバンドBollinger Bands
- 移動平均と標準偏差を組み合わせたバンド。価格のばらつき範囲を可視化する。
- MACDMoving Average Convergence Divergence
- 短期と長期の指数移動平均 (EMA) の差をもとにしたモメンタム指標。
- 検証期間Backtest Window
- バックテストを実行する対象期間。複数の市場局面 (上昇・下落・横ばい) を含むほど、結果は頑健になる傾向。
- イン・サンプル / アウト・オブ・サンプルIn-Sample / Out-of-Sample
- パラメータを決めるための期間 (in-sample) と、決めたパラメータを当てて結果を見る期間 (out-of-sample)。期間を分けることで過剰フィットを見つけやすくする。
- ウォークフォワード検証Walk-Forward Test
- 学習期間と検証期間を時系列に沿ってずらしながら繰り返す検証手法。過去データを期間で分け、未知期間に見立てて検証する方法。
B — 指標と評価
戦略の挙動を、数字で読み解く。
- 累積リターンCumulative Return
- 検証開始からの値動きを積み上げた合計の収益率。
- 年率リターンAnnualized Return / CAGR
- 累積リターンを 1 年あたりに換算した値。期間が異なる戦略を比較するときに使う。
- シャープレシオSharpe Ratio
- リスク (リターンの標準偏差) を考慮したリターンの効率を示す指標。値が大きいほど効率的とされる。計算前提 (無リスク利子率、計算期間、年率化の方法) で値は変わる。
- 詳しくFAQ で読み方を見る →
- 最大下落率Maximum Drawdown / MDD
- 検証期間中、ピーク (高値) から底までの最大の下落幅。下落耐性の目安として使う。最大ドローダウンとも呼ぶ。Zephris は保有中の日中の安値 (ザラ場安値) も底として反映するため、 終値だけで見るより実態に近い下落を示す (売買コストは決済時に反映するため、 保有中の評価には含まない)。
- ボラティリティVolatility
- リターンのばらつき (標準偏差)。値が大きいほど価格変動が激しい。
- α (アルファ)Alpha
- ベンチマークに対する超過リターン。市場全体の動きを差し引いたあとに残る成果。
- β (ベータ)Beta
- ベンチマークの動きに対する感応度。1 ならベンチマークと同程度、1 より大きいと感応度が高い、0 に近いと無関係に近い。
- 勝率Win Rate
- 検証期間中の取引のうち、利益で終わった取引の割合。勝率が高くても、1 回あたりの損益によっては成績が悪い場合もある。
- リスクフリーレートRisk-Free Rate
- 理論上、リスクなしで得られるとされる金利。シャープレシオなどの計算前提として使われる。Zephris の戦略バックテストでは、簡易計算のため 0 として扱う。
- ベンチマークBenchmark
- 戦略の成果を比較するための基準。日本株では TOPIX、日経平均株価などが代表的。
- ソルティノ比Sortino Ratio
- 下落方向の値動きのばらつき (マイナスの振れ) に対する、平均リターンの比です。 シャープレシオが上下両方の振れを使うのに対し、 ソルティノ比は下落側だけを分母にします。 数値が大きいほど、 下落の振れの割に平均リターンが大きかったことを表します。
- カルマー比Calmar Ratio
- 年率換算リターンを、 最大下落率 (の絶対値) で割った比です。 数値が大きいほど、 検証期間中の最大の落ち込みに対して年率リターンが大きかったことを表します。
- 情報比Information Ratio
- 比較対象 (ベンチマーク) に対する超過リターンの安定性を表す比です。 超過リターンの平均を、 そのばらつきで割って年率換算します。 数値が大きいほど、 超過リターンが安定的だったことを表します。
- 損益倍率Profit Factor
- 勝ち取引の利益の合計を、 負け取引の損失の合計 (絶対値) で割った比です。 数値が 1 のとき利益の合計と損失の合計が等しく、 大きいほど利益側の合計が大きかったことを表します。
- 連続マイナス取引 最大Max Consecutive Losses
- マイナスで終わった取引が連続した、 最大の回数です。 連続して逆行した局面の長さの目安になります。
- 1 取引あたり平均リターンExpectancy
- 1 取引あたりの平均的な損益です。 勝ち取引の平均リターン × 勝率 と、 負け取引の平均リターン × 負け率 を合計して求めます。
- ペイオフ比Payoff Ratio
- 平均的な勝ち取引のリターンを、 平均的な負け取引のリターン (絶対値) で割った比です。 数値が大きいほど、 1 回の勝ち幅が負け幅より大きかったことを表します。
C — バイアスと検証品質
過去データを、誤読しないために。
- 生存者バイアスSurvivorship Bias
- 上場廃止になった銘柄や、当時の指数構成銘柄を除外して検証すると、「生き残った銘柄だけを見て」 結果が良く見えてしまう問題。
- 詳しくFAQ で対応方針を見る →
- ルックアヘッドバイアスLook-Ahead Bias
- 検証時に、当時のトレーダーがまだ知り得なかった「未来のデータ」 を参照してしまう問題。決算数値の取得タイミングなどで起きやすい。
- 詳しくFAQ で対応方針を見る →
- 過剰フィットOverfitting
- パラメータを過去データに合わせすぎて、将来通用しない戦略になってしまう状態。「過去だけに合った最良」 を探し当てると起こりやすい。
- データスヌーピングData Snooping
- 同じデータで多数の仮説を検証することで、偶然「良い結果」 が出る現象。検証回数を重ねるほど、見かけの優位性を信じにくくなる。
- パラメータ最適化Parameter Optimization
- 検証パラメータを変えながら、結果が良くなる値を探す作業。過剰フィットのリスクと表裏一体のため、近傍のパラメータでも結果が安定しているかを併せて確認する。
D — 取引コストと現実
バックテストと実運用の、距離。
- スリッページSlippage
- 想定した約定価格と、実際に約定した価格のずれ。流動性が低い時間帯や、約定単位が大きいほど大きくなる傾向。
- 流動性Liquidity
- 価格を大きく動かさずに売買できる量の目安。出来高や板の厚みから読む。
- 取引手数料Trading Commission
- 売買時に証券会社に支払う手数料。Zephris の戦略バックテストのコスト条件で、買い・売りそれぞれに料率(例 0.10%)を設定でき、0% にするとコストなしで検証できる。
- 譲渡益税Capital Gains Tax
- 株式の売却益にかかる税。日本では原則 20.315% (所得税 15%、住民税 5%、復興特別所得税 0.315% の簡易合算)。Zephris の戦略バックテストでは、一律 20.315% の簡易計算・任意のカスタム税率・税を考慮しない (税引前表示) から選べる。
- 配当 / 配当再投資Dividend / Dividend Reinvestment
- 銘柄から得られる配当金、およびそれを再投資する前提でのリターン計算。Zephris では、J-Quants Premium 契約時に配当を受け取り(決済時に加算)または再投資(権利落ち日に同じ銘柄を買い増し)で反映でき、配当への課税(20.315%)も任意で適用できる。ただし、再投資した配当分の値上がり益への課税は簡易モデルでは扱わない。Free / Light / Standard では、配当は検証結果に反映しない。
E — データと環境
Zephris が扱うデータと、その置き場所。
- J-Quants APIJ-Quants API
- 株式会社 JPX 総研が提供する金融データ API。Zephris の主要なデータソース。利用には J-Quants との契約と API キーが必要。
- 手順使い方で契約手順を見る →
- BYOKBring Your Own Key
- ユーザー自身が外部 API の契約と API キーを管理する方式。Zephris は BYOK 方式を採用し、Zephris 側で API キーを預かったり、データを再配信したりしない設計。
- 手順使い方で登録手順を見る →
- ヒストリカルデータHistorical Data
- 過去の株価・出来高・指数値などの時系列データ。バックテストの入力として使う。
- 銘柄コードTicker / Securities Code
- 上場銘柄を識別する 4〜5 桁の数字 (例: 7203 = トヨタ自動車)。日本株固有の表記。
もっと知りたいときは
用語の定義から一歩進んで、なぜ重要かを知りたいときは、よくある質問へ。
実際にパラメータを変えて確かめたいときは、戦略バックテストへ。